希少糖摂取による生活習慣病予防の可能性

(キーワード:肥満、体脂肪、糖尿病、血糖値)

 希少糖とは自然界に微量にしか存在しない単糖およびその誘導体です。特に、D-プシコースについては、近年、動物やヒトに対して様々な機能性を有することが報告されています。
 また、D-プシコースは加工食品や調味料などに微量含まれています。

1. 抗肥満作用
これまでの研究でD-プシコースのエネルギー価はゼロであることが分かっています。経口摂取されたD-プシコースは、一部、小腸から吸収され血中を循環しますが、ほとんどは排泄されるからです。図1は実験動物であるラットにショ糖、果糖およびD-プシコースを添加した餌を20日間与えたときの体重増加量を示しています。ショ糖と果糖は摂取量の増加に伴って体重が増加しますが、D-プシコースの場合は体重増加量が変わりません。それだけではなく、D-プシコースの抗肥満作用については以下のようなメカニズムが存在していると考えられています。
(1)D-プシコースは摂食量を抑制する。(2)D-プシコースは肝臓および脂肪組織における脂肪合成を抑制する。(3)D-プシコースは脂肪組織の脂肪分解を促進する。(4)D-プシコースはエネルギー代謝を促進する。
一方で、D-プシコースは他の栄養素(脂質、炭水化物、タンパク質)の吸収を阻害しないことが分かっています。抗肥満作用については、希少糖を約15%含む希少糖含有異性化糖(レアシュガースウィートという商品名で市販されています)でも確認されています。

2.抗糖尿病作用
D-プシコースは食後血糖値上昇を抑制することが明らかになっています。図2は健常者に果糖あるいはD-プシコースを糖質量の5%含む食事(500~700kcal)を摂取させた後の血糖値変動を示しています。果糖に比べてD-プシコースは食後の血糖値上昇を抑制することが分かります。D-プシコースの食後血糖値上昇抑制作用には以下のメカニズムが関与していると考えられています。
(1)小腸粘膜上皮細胞に存在する二糖分解酵素(スクラーゼ、マルターゼ)の活性を阻害する。(2)肝臓のグルコース輸送担体であるGLUT2の発現を促進し、血中から肝臓へのグルコース取り込みを促進する。(3)肝臓のグルコキナーゼを活性化し、グルコースからグルコース6-リン酸への反応を促進する。その結果、肝臓グリコーゲン合成が増加する。

肥満と糖尿病を防ぐとこはその他の生活習慣病予防にも寄与します。今後、D-プシコースの新たな機能性やD-プシコース以外の希少糖の機能性の研究が期待されています。