持続可能な食料生産技術の開発

日本国内において食品廃棄物は推定2,700万t/年(このうち、本来食べられるにも関わらず捨てられてしまう「食品ロス」は2019年に570万t)と大量に排出されています。また、高水分や分別の難しさなどから食品廃棄物の再生利用率は3割程度に留まっており、焼却・埋立のコスト増加や温室効果ガス・大気汚染ガスの発生を引き起こしています。

アメリカミズアブ(Hermetia illucens)は我が国を含む世界の熱帯~温帯に広く分布する昆虫であり、病原体媒介の危険性が低く、幼虫の消化吸収能力が非常に高いため、幼虫の食性を利用した廃棄物減量や、その際に栄養分を体内に蓄積した幼虫を動物性資源として水畜産用飼料に活用する取組みが世界各地で提案されています。

アメリカミズアブは近年注目されている昆虫ですが、他にもイエバエやカイコ、ミールワームなども世界中で飼料利用に関する研究が行われています。

動物栄養学研究室では、飼料用昆虫と昆虫生産時に発生する残渣(Frass)について調べています。

飼料用昆虫

食品廃棄物等で育てた昆虫をブタやニワトリに与え
飼料用昆虫の有用性を調べています

昆虫生産残渣 (Frass)

昆虫に食品廃棄物等を処理させた後で得られる
残渣(Frass)の有用性を調べています