昆虫生産残渣(Frass)

昆虫の排泄物(糞粒)は英語でFrassと呼ばれていました。近年では、昆虫に与えた餌料の残りや排泄物、脱皮粕などを含む昆虫生産時に生じる残渣をまとめてFrassと呼んでいます。

堆肥はCompostと呼ばれ、肥料はFertilizerと呼ばれており、Frassはこれらの資材とは異なる特徴を持つ可能性が考えられます。

食品廃棄物と同じ組成のモデル生ゴミを昆虫の餌料に用いた際に生じる残渣を牛ふん堆肥と比較するためにホウレンソウを栽培したところ、施肥量を同量にすると下の写真のように昆虫生産残渣でホウレンソウが最も大きく生長しました。

さらに、モデル生ゴミを乾燥させただけのものと比較しても昆虫生産残渣の方が良く生長していることから、昆虫を活用することは植物生産にとっても良いことである可能性があります。しかしながら、なぜこのような結果がもたらされたのかはっきりとした答えは見つかっていません。

動物栄養学研究室では、持続可能な食料生産技術を構築するための知見を提供するために、動物の飼育に加え、蔬菜栽培だけでなく今後は飼料作物栽培も行います。